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昨日の雪で、
窓から見える屋根たちが、いちめん真っ白。

昨日は窓際に寝そべって見上げると
ひらひらと雪の落ちてきて、しばらくぼおっと眺めた。
ひとつとして同じ軌跡を描かずに舞い落ちる、雪の自由さが
なんだかくすぐったいような、頼もしいような。

雪の中を歩くのは慣れないから
ついつい足下ばかりに気を取られて
雪景色を眺める余裕がない。
去年の雪の日は、凍った上を慎重に歩いていたら
間違えて隣のマンションに到着してしまった。

昨日も雪を踏み締めることに集中していたら、
路地の門扉で雪だるまに遭遇。
ブロック塀の上には手のひらサイズのチビ雪だるまがずら〜っと並んでいた。
か...かわいい..!!
だれの仕業か分からないけど、まだ雪のやまないうちである。
こんなかわいい心意気に出会えるなら、
もうすこし周りを見ながら歩けるようになりたいな。

今日はもう晴れていたから、チビさん達にはもう会えないけれど
なんとなく東京の雪降りには似合ってたような気がした。
すべりこみで先日、森美術館に行ってまいりました。
周囲の友人達の好感想をたよりに
ほとんど予備知識もなく出かけ...。

なんとも見ごたえのある展覧会でした。
普段、あまり写真の展示は見るほうではないし、
杉本氏のこれまでも、作品自体の評価のされ方も
その功績について私は知らないのだけれど、

ただ、初対面で、
なんとも美しい。
絵画的と思えるような物語の気分。

ひとつひとつの作品を見つめると、
作家がその被写体に向かいあった時間の長さ、
その時間の濃密さを感じる。
そんなギリギリの緊張感。

会場内で上映されていたインタビューで
「展示の会場ごとつくる」と言った内容の事を
氏が語っていたけれど、
作品のシリーズごとに分けられた部屋はみな
壁面や照明がちがっていて
それもまた光と影の美しい空間に。

去年、行けなかった直島にも
やっぱり今年は行ってみたいな、とも思い
何となく背筋が伸びて会場をあとにしたのでした。
今年の正月はお伊勢参りにゆきました。

関東からほとんど出たことのない私にとっては
伊勢神宮はもちろん初体験。
本当は「伊勢」はつけないで、ただ「神宮」というのが正式名称とか。
そういえばお守りにも、戌の土鈴にも「伊勢」の文字はない。
ふうん。そうだったんだ。
内宮と外宮とふたつあることも初耳。
皇族などもお参りするいわゆる神宮は内宮とのこと。
で、私達も内宮へ。

初もうでの人の波は石段の下のそのまた手前の道まで続き、
1時間ほど並んで内宮の正面でお参り。
想像以上に簡素な茅葺き&白木の建物に
白い布が暖簾(?...)みたいにかかってるだけの
有無をいわさぬ美しさ。
それを大きく揺らして吹き抜ける風さえも
霊験あらたかに感じてしまうような圧倒的な存在感。

なんといっても古代の高床式を今に伝える姿とか。
これはほんもの。
飾りなんてない。大袈裟なところもない。
きっと「真なるもの」には
ほかには何もいらないんだな。

ただ、なんとなく、
「千と千尋の神隠し」で汚れを落としてもらってさっぱりした
川の神様の姿、を連想してしまったりして...。

その他、「遷宮」とか、あまり知らなくて
なんだか目からウロコが落ちることばかりでした。

帰りは赤福本店でひと休み。
できたて赤福は土産ものとは別物かと思うくらいのやわらかさ。
お餅がとろ〜っとのびるくらい。
ものすごく込んでいた店内だけれど
店員さんの紺のワンピースの制服も、
黒光りする柱に掛かった丸時計も、
大きな釜から立ちのぼるほうじ茶の湯気も、
すべてがゆったりとした気分にさせてくれる、ほんのひととき。

店内でも配付、赤福の箱詰めにも入ってる、毎日違う、伊勢だより。
この日は、志摩安乗文楽のこと。
赤福のページでは今日の伊勢だよりもみられます。

潔く、
ゆったりと。
よき一年でありますように。
昨年中もたくさんの方に出会い、お世話になりました。
みなさん、どうもありがとう。
そして本年も、たくさんの人、こと、に出会えますように。
よろしくお願いいたします。

さて、年末は自分の十大ニュースを考えたり
そこから、06年の目標やら計画やらを立ててみたりしたのですが。
振り返ってみれば、やはりなんとものんびりと過ごした一年でした。
まったくの自由生活。
結果、ふくふくと肥えてしまい...。
望んでいたこととはいえ、緊張感とは無縁の生活。

そこで、今年の目標などは細かく立ててはみたものの
おおきく今年のわたくしのテーマはズバリ
「腹をすかせる」。
色んな意味でね。
これでいきたいと思う、2006年元旦でございます。
そんな感じの年明けです。
牡丹じゃありませんbuttonです。

先日、友人が上着のボタンを付け替える、と言って
夜中にボタンの箱を取り出した。
バラバラっと広げると、ひとつかふたつずつ
いろんな色、形、大きさのボタンがたくさんあらわれる。
ひとつずつエピソードや思い入れのあるもの。
すこしずつふえてきたのであろう、小さな箱の中身。

それを床に並べて、上着につける組み合わせを考える。
床の上にはいくつかのグループが。
一それはこっち。
一あれもすてき。
一これは、ぜったい外せない。
女3人、冬の夜長に
温かい部屋でボタンを並べて、笑う、幸せ。

小さい頃の私の宝物箱はどこにいってしまったのだろう。
小さなボタン、レースのリボン、光るシール、花模様の包装紙。
ビンのふたやマッチ箱、スプーンからとれた陶器の飾り。
そんなものをカラスのように拾い集めては箱にしまってた。
それをしまう場所はなぜか仏壇の下の引き出しだった。

久しぶりに、私もボタンを得ようと、
表参道のladroguerieへ行ってみる。
ビンに入ったボタンの棚がずらり。
色や素材別にならんだガラス瓶を
そおっと手に取って、すこし振ってみたりする。
どれもこれも欲しいけど、こんなときにどっさり買うのは似合わない。
時間をかけて今日のひとつを選ぶ。
黒のジャケットに付け替えるためのボタンをひとつ。
でもどうしても欲しくて、おともに金色のミツバチボタンもひとつ。

そんな、ちいさなお買い物。
カラスのような宝物あつめ。

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