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再読の書

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本をほとんど読み返さない、
したがって蔵書もほとんどないわたくしが、
この夏に押し入れから引っ張りだして読んだもの。

徹子さんの『窓ぎわのトットちゃん』と谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』。

自由すぎる息子の子育てに行き詰まると、トットちゃんと小林先生に会いたくなります。
読み終わるとすっきり。
「つまんない子どもになんてならなくて良し!」と思える、私にとっての育児バイブル。
自由で優しいトットちゃんにたびたび励まされています。

隅から隅まで明るくて、ピカピカで、新品だったり、
一点の曇りもないようなものばかりを美しいというような、開けっぴろげな価値観に、
うんざりすることすら忘れて巻き込まれそうになったとき、
「陰翳」を「礼讃」する言葉にふれると、安心する。
私は陰りも大切にしたいんだ。陰りあっての光なのだ、と。

どちらも心の中の大事な部分を思い出させてくれる書。
弱った時には栄養補給してくれるのです。