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ミスター・クリスマスツリー

HBギャラリーのコンペの搬入を済ませて、
ギャラリーで会った青山塾時代の友人とまい泉でランチ。

店内にクリスマスツリーがあった。
2mくらいの濃い緑色のもみの木(人工)に
キラキラフサフサの帯。色とりどりの球体。
プレゼント箱のオーナメント。
あか、あお、みどり。
これぞクリスマスツリー!
好感がもてる姿。

元銭湯の和風レトロな店内でカツやらカレーやら海老フライを出す、あの場には、
やはり、この元祖クリスマスツリー的なもので然り。妙に納得。


幼いころ、
クリスマスツリーの飾りつけは、姉妹ふたりの恒例行事でしたが
我が家のもみの木は、庭の本物の木(おそらくもみの木ではない..)を
父が、掘り起こし、鉢に入れ、床の間に置いていたものでした。
自然木なので、あんなきれいな円錐形にはならなくて
枝も出っぱったり、まがってたり。
それでも妹と、雪の代わりに綿をのせたり
サンタの飾りを付けたり。
てっぺんには銀の星。
そして、キラキラ点灯。
あか、あお、みどり...。

クリスマスが終わると木は庭に戻され、
床の間には正月用の掛け軸が掛けられます。
羽子板が飾られて、それはそれでまた華やか。
そのころは、和でも洋でも関係なくて、
どちらも一年に一度だけ、押し入れの箱から出てくる、きれいなものだったのです。
クリスマス飾りのはいったボール紙の箱も
羽子板の入った段ボールも、私にとっては、特別な箱。

クリスマスの木は、年を追うごとに大きくなって、
私達の成長と共に、家に持ち込めなくなりました。
今となってはどれがその木なのか、今でもあるのかも分かりませんが
庭の入り口にある、屋根ぐらいの高さの、大きなのがそうではないかと思います。



その昔、彼は年に一度スターになった。
姉妹がはしゃぎながら飾りを付けて、とても素敵なクリスマスツリーになった。
その木が運ばれてきたら、家族みんながワクワクした。
部屋の明かりを消して、彼のキラキラだけが、食卓を明るく灯した。
毎年少しずつおおきくなっても、
子供達も大きくなっていったから、一緒だった。

今、
彼は大きくなりすぎて家には入れない。
姉妹も大きくなったので、家をはなれて暮らしている。
だから彼は外の庭の入り口で、家を一年じゅうながめてる。
庭を通って家を訪ねる人を見ている。
夜空の下で満天の星をながめがら、昔、自分についていた星をちょっと思い出す。
ときどき、姉妹が帰ってきたら、一番に迎えられることが彼の今の誇り。

往年のスター☆我が家のミスター・クリスマスツリー。