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本をほとんど読み返さない、
したがって蔵書もほとんどないわたくしが、
この夏に押し入れから引っ張りだして読んだもの。

徹子さんの『窓ぎわのトットちゃん』と谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』。

自由すぎる息子の子育てに行き詰まると、トットちゃんと小林先生に会いたくなります。
読み終わるとすっきり。
「つまんない子どもになんてならなくて良し!」と思える、私にとっての育児バイブル。
自由で優しいトットちゃんにたびたび励まされています。

隅から隅まで明るくて、ピカピカで、新品だったり、
一点の曇りもないようなものばかりを美しいというような、開けっぴろげな価値観に、
うんざりすることすら忘れて巻き込まれそうになったとき、
「陰翳」を「礼讃」する言葉にふれると、安心する。
私は陰りも大切にしたいんだ。陰りあっての光なのだ、と。

どちらも心の中の大事な部分を思い出させてくれる書。
弱った時には栄養補給してくれるのです。
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玄光社さんより発売されるイラストレーター年鑑、
『ファッションイラストレーションファイル2013』が発売になりました。
クールな表紙のように、ファッショナブルなイラストレーターさんたちがずらり紹介されています。
そのなかで素朴感のあるワタクシも…。

イラストレーターをお捜しの際には、ぜひお役立てください!
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by ayako-iwagami | 2013-09-20 12:00 | お知らせ
先日入選したギャラリーハウスMAYAさんの装画コンペの作品を搬出してきました。
自分でも、どこが評価されてどこがいまいちなのか、やっぱりよく分からない状態ですが
備忘録も兼ねてアップしてみます。
各作品ともに、物語の装画を想定して描くという課題です。


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課題本、エミリー・ブロンテの『嵐が丘』。
身分の違いはあれど幼なじみの二人。
絆が強いほどにぶつかり合ったり深く結ばれていたり。
互いの心も魂もガラスのように繊細で傷つきやすく。
具体的なシーンではなく、
そんな二人の関係性をイメージとして表現できたら、と描きました。
イギリス文学によく登場する、一面ヒースの丘、の美しくもの鬱げな雰囲気も取り入れたかった。
ヒースというのは植物でエリカともよばれているもの。
実際にヒースらしきものはほとんど描いていませんが、
美しく、はかなく、といった感じが出ていたらいいなと思います。


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エミール・ゾラの『ナナ』。
この本は課題ではなく自分で選んだものです。
19世紀半ばのパリが舞台の物語。
主人公のナナは若く美しい身体を武器に舞台女優から高級娼婦となり、
次々と虜になった男たちを破滅させていく…って話。
さぞかしお色気ムンムンなのかと思うと、たしかに男から見るとそうなのだろうけれど、
妙に子どもっぽくてまっすぐなところがあって、そのギャップがナナの魅力なのかなと思いました。
そんなナナを下品にならずに色っぽく、子どもっぽく、肖像画のように描いてみたいと思って制作したもの。
こんな肉感的な女性を描くのが好きなので、たのしく描きました。


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課題本、グリム兄弟の『灰かぶり』。
灰かぶりはシンデレラだと思いながら読んでみたら、
グリムの『灰かぶり』はペローのものとは微妙に違っていて、
願いを叶えてお城に送り出してくれるのは魔法使いではなく、
お母さんのお墓近くのハシバミの木にやってくる鳩たち。
靴もガラスでなくて金だったり、エピソードも少しずつちがうのです。
鳩に助けられるシーンが素朴で、母の愛とかも感じられたりして素敵だったので
このシーンをモチーフにしました。



コンペに出したり、評価されたりされなかったり、もありますが
やはり本のイメージで絵を描くことが楽しいなあと思える、今日この頃の備忘録でした。
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新潮社から出版されている海外作品のシリーズ、新潮クレスト・ブックスが創刊15周年だそうです。

私が上京して、装画の仕事にただ憧ればかりを抱いて書店を見てまわっていたころ、
このクレストブックスはまだ数冊のラインナップだったと思いますが、
本の質感といい、背や表紙カバーのデザインといい、上質で、上品で。
美しい本があるんだなあと手に取って、うっとりと眺めていた記憶があります。
そして、外国文学好きだった私は、いつかこんな本の仕事ができたらいいのに、と憧れてみたり。
(このシリーズの作品やデザインに関する思いのようなものはこちらで語られています
http://www.shinchosha.co.jp/crest/about/
ですから、そんな日々から10年ほど経って、クレスト・ブックスのお仕事をさせていただいた時には
なんてラッキーなんだろう、と本当に嬉しかった。
「憧れ」の気持ちは、いくつになっても大切にしようとも思いました。

写真は青山ブックセンター本店。
そんなクレストシリーズがコーナーに美しくまとめられています。
私の担当した『残念な日々』も面出しをしてもらって。
私が通っていたイラストレーション青山塾はこの書店と同フロアにあったので、
広くてアート系の書籍の充実する店内は第二の教室のように、
たくさんのものを時間も忘れて見て感じる場でした。
(もちろん買い物もしました…よ・汗)
そんな場所で、仕事をした書籍が並べられているというのは、これまた嬉しいものですね。

クレスト・ブックス、どれも大人の香りがする海外の作品です。
是非お手に取って、ご覧になってください。
全国200以上の書店でフェアを開催中とのこと。
期間中に無料配布されているブックレットも素敵ですよ。
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夏休み前、小学校からはじめて夏休み用の本を借りてきた息子。
その時点でまだ彼は自宅では絵本すら自力で読むことはなく、(学校では読んでいたようですが)
本は「読んでもらうもの」だったのに、なんでかエラく文字の細かい読み物本を借りてきてしまった。
それとダンゴムシの写真集(また…)と、かいけつゾロリ。

で、このゾロリをある晩、夜中に目覚めて読み始める。深夜に大笑いしながら読むこと2時間。
ほぼ読み終えて明け方寝るっていう。
息子、初めての読書らしい読書は、いきなり2時間読みっぱなしでした。

そこで、その後、図書館で借りにいっていろいろ読んでみることに。


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『かいぞくポケット なぞの宝島』
(寺村 輝夫・さく、 永井 郁子・え )
男の子がある日突然、海賊になって冒険するっていう、息子がすごくはまりそうな話で
本人も興味津々なんだけど、なんでかこれは全く読むのがはかどりませんでした。
何故だろう?文字は大きいし絵もおおいのだけれど
漢字にふりがなが全部ついているわけではないことや、
なかなかすぐに事件が起きなかったからかしら。
これは途中で断念して、もう少し漢字が読めるようになったら再チャレンジすることに。
たくさんシリーズ化されているようです。

『どうくつをたんけんする』
(堀内誠一・さく)
息子が気に入って選んだ一冊。
たくさんのふしぎ傑作集で、科学的な分野を絵本にしたもの。
秋吉台を訪れた男の子の洞窟探検と同行した研究者のおじさんのお話し。
文字も多く、言葉もいろんな名称が出てくるのでこれは私が音読しました。
とっても気に入っていた一冊。鍾乳洞に行きたくなったらしい。
堀内誠一さんの画力の多彩さも実感。

『ぼくはめいたんてい きえた犬のえ』
(マージョリー・W・シャーマット・作、マーク・シマント・絵)
これは、冒険・探検ものが好きな息子に適した低学年向きの本がないかとネット検索したところ
ヒットしたものの中でセレクトしてみました。
ぼくはめいたんていシリーズの一冊目で、
主人公の男の子が身の回りで起きるちょっとした事件を推理で解決するもの。
これが息子に大ヒット。2学期はこの本で感想文を書くそうです。
文字も大きく、漢字もほぼ全部ふりがな付きなのでひとりであっという間に読めます。
絵も素敵で、ブラック+2色の印刷でシャレています。
この本を読んでから、彼は読書の間集中できるようになりました。

『おばけのソッチ一年生のまき』
(角野 栄子・作、 佐々木 洋子・絵 )
これも全ページに絵、文字は大きくほぼひらがな。
このちいさいおばけシリーズは昔、私の妹がよく読んでいたなあという記憶があります。
長く愛されている児童書のひとつなのですね。
シリーズ数も多くて読み切れないほどたくさんある。
絵も可愛らしくて男の子も女の子も読めそうです。なんとなく私が選んで薦めてみました。
私は読んでいないので内容は不明ですが、息子は一時間ほどで読み切っていました。

『スモールさんののうじょう』
(ロイス・レンスキー え・ぶん)
息子が選んだ絵本。これもまたシリーズ物らしい。
文章はほとんどない、本当に薄い絵本なのだけれど、このあっという間に読める感も
いいのかな。絵の色味が2色刷りでまたおしゃれ。


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『ぼくはめいたんてい まよなかのはんにん』
『ぼくはめいたんてい なくなったかいものメモ』
(マージョリー・W・シャーマット・さく、マーク・シマント・え)
ぼくはめいたんていシリーズをたいそう気に入って、全部読みたい!という息子。
2冊目、3冊目にもチャレンジ。
またそれぞれ色使いがシャレてる〜〜!絵が本当にかっこいいの。
1冊目と同様、楽しんで読んでいました。
「まさか?!」とか「あ〜!」とか声を上げながら…。
もともと架空の世界にはまりやすい性質ですから、読み始めたらハマることは予想が出来ていたのですが。
本の世界には母もどっぷりはまっていたから、気持ちは分かるよ。
なかなかよいものよね。

『スモールさんはお父さん』
『カウボーイのスモールさん』
(ロイス レンスキーさく)
スモールさんシリーズも借りていた。息子は意外とシンプルな絵柄を好む。
なかなか好きよ、そのセンス。
カウボーイのお話しが楽しかったらしい。


というわけでこの夏、私は読み聞かせをしませんでした。
ついに一人読書のはじまり!
でも音で物語を聞くこともまた違う意味があると思うし、交代読みもしたいし、
絵本の読み聞かせは継続したいなあと思うこのごろ。
私が読みたいんだよね、絵本を。
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by ayako-iwagami | 2013-09-03 10:22 | こどもの本。