カテゴリ:個展2012「INFANCY」( 20 )

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『冒険者たち~ガンバと15匹の仲間~』
斎藤惇夫 作

アニメ「ガンバの冒険」の原作となった物語。
海を知らないガンバが、
友達に誘われて港に行って、船乗りネズミにあって、
とある島での事件を知って、冒険のたびに行くことになり、
さらに初対面の仲間のリーダーになることになり…そこまでが一晩の話。
人生の転機ってそんなものなのかもしれない。
イタチのノロイ一族の不気味さ。
追われ、逃げるネズミたちの精神的な苦痛、
味方となるオオミズナギドリ達の勇ましさ。
小さな小さな生き物達の攻防が
大画面でスクリーンに映し出されているみたいに
生き生きと感じられます。


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女子らしいセレクトの多い今回の本の中で、数少ない、男子に是非お勧めしたい1冊!
読み応えあります。
「ガンバ」はアニメで見た~とおっしゃる方は同世代(笑)。
アニメも面白かったけど、ノロイの印象が本だとだいぶ違います。
そこも含めて、読んでいただきたい!!
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『銀河鉄道の夜』
宮沢賢治 作

子供のころ、銀河鉄道というと999だったので、最初は如何なるものか
想像もつかなかったのです。でも、神秘的で、静かで、はかなくて。
読むたびに新しい発見のあるように思います。
特に鳥を捕る人のシーンが印象的でした。
幼いころは宇宙というと、子供なりにも「科学」のにおいばかりが
したのですが、この物語を知ってからは
はるかかなたの星の世界にストーリーがあると思ったら
星空がとっても有機的な温かいものに見えるようになったのです。


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銀河鉄道の夜なのに、列車が描いていないのね。
・・・そういえばそうなんです。
でも私にとってこの物語はあまり列車メインじゃなくて
彼らがめぐり合う場面の美しさ、不可思議さが印象に残っているので
何の狙いも無く、こうなりました。
個展作品18点はすべて描きおろしですが、これが一枚目なのです。
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『オズの魔法使い』
ライマン・フランク・ボーム 作

終始「Over the Rainbow」が頭に流れてしまうこの物語。
ドロシーが巻き込まれる不思議な世界でのこの物語のおかげで
何はともあれ、カンザスは竜巻がおこる場所、と覚えました。
案山子、ブリキの木こり、ライオン。
コンプレックス持ちの仲間達に自信を与える、
といういい話なのだけれど
肝心のオズが登場してからはずいぶんとびっくりするような
展開なのです。
そして映画では、ジュディ・ガーランドがルビーの靴を履いて
いましたが、これは原作では銀の靴なのです。


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これ、ブリキの木こりがゆるキャラみたいと言われていました(笑)。
時々「脱力感がいいよね~」とか「ここの脱力した感じが~」とか言われるのですが
本人、脱力してるつもりはないのです(笑)。むしろ常に全力!
でも、適度に抜けた感じが出ているならば嬉しいな。
ライオンも犬もいろんな人にゆるい~といわれた癒し系オズの魔法使い?!

「オズの魔法使い」は、みんな
タイトルは知っているけど内容が分からない・・・物語ナンバーワンでした!
映画もいいけど、本もお勧めです。
黄色い道とかエメラルドの宮殿とか、色彩豊かな物語。
頭の中が色とりどりになる感じが好き。
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『やかまし村の子どもたち』
リンドグレーン 作

田舎に三軒だけ並んだ家に住んでいる子供たち6人が、
ただただ毎日遊んでる暮らしが描かれています。
その遊び方が、干草置き場でトンネルを掘るとか
林の中で木の間にツリーハウス的なあそび小屋を作るとか、
隣同士窓越しに向かい合った互いのこども部屋で
ヒモとカゴを使って手紙のやり取りをするとか、
子供のころは羨ましくってワクワクして。
大人になった今は、この遊び方がたくましくも思え、
キラキラしていてやっぱり羨ましいのです。


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前にこのブログでもかきましたが、この本は春ごろ息子に
読み聞かせをしていたのです。
だから、展示に来た息子はグルグル~っとギャラリー内を周って、
「あ!この絵しってる!」と言っていました。
それくらい「まんま」な絵(笑)。
この絵でブックカバーを作るつもりで描いたので
半分折で左右それぞれが表紙になるようになっています。
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『赤毛のアン』
L・M・モンゴメリ 作

働き手としての男の子と取り違えられて、孤児院からやってきたアン。
もちまえの妄想力に助けられたり、それが仇になったりしながら、
苦難を乗り越え、美しく才能ある女性に成長します。
それは初めてグリーンゲイブルスにやってきた時の
悲壮な姿とは似つかない幸せ。
そう、アンは美しい娘になるのです!
とくに彼女を育てたマシューとマリラにとっては、
彼らの人生も美しいものに。


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レースみたいなお花の画面。
アンが初めてグリーンゲイブルスにやってきたシーンです。
アンを再読してみると、自分の記憶以上にアンの妄想力がすごくてビックリ。
でも、貧しく、質素に暮らすしかなかった彼女の、美しいものに憧れる気持ち、
「もし…だったら」とうっとりと思い描く気持ちは、傍からみるとギョっとするくらいなんだけれど
私にはとっても共感できて。
続きも再読したいな、なんて思います。
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『クローディアの秘密』
E・L・カニグズバーグ 作

NHKみんなのうた、大貫妙子さんの「メトロポリタンミュージアム」の
モデルとなった物語。
12歳のクローディアは計画を練り、弟のジェイミーを誘って家出をします。
滞在先は、なんとメトロポリタン美術館!
バイオリンケースとトランペットケースに荷物を詰め、
子どもであることもフル活用し、
世界でも最大級のこの美術館に1週間もこっそりと寝泊りしてしまう。
クローディアはこの生活の中で「天使の像」に出会い、
この像の謎解きを通して、彼女は秘密を持ち、大人になっていきます。
物語の最後に持つことになる、
彼女を大人に近づけてくれる本当の「秘密」とは、さて何でしょう?


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↑キャプションで紹介した「メトロポリタンミュージアム」をご存じない方が多かった。
そうだよね。みんなのうただもん、世代限定よね(汗)。
で、原作もあまり知られていなかったのだけれど、
大人の読む児童文学として、今回のなかでこれはイチオシです!
状況だけでもかなりワクワクする感じなのですが、
ちゃんとクローディアが成長するためのストーリーがあって、
その小さな成長というか、変化というか、そんなのを感じられるところが好き。
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『長くつしたのピッピ』
リンドグレーン 作

ピッピは10歳だけれど一人暮らし。
お母さんとは物心つく前に死に別れ、
一緒に航海してきた船長のお父さんも海で遭難し、
彼女はたったひとりでチンパンジーと一緒に暮らしています。
その暮らしっぷりの自由なこと!むしろハチャメチャ。
子供のころはその闊達さにただただ憧れたけれど、
大人目線になるとちょっとハラハラ。
でも、そんなピッピの強さは
「お母さんは天使になって見守っていてくれる、
お父さんはどこか南の島で王様になって元気に暮らしている」
と信じる気持ちに支えられていると思うと、
なんだかとってもけなげに感じるのです。


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「ピッピ懐かしい~!」という声多し。
ピッピは今回セレクトの主人公達の中で、いちばん破天荒!
そしてわが息子にいちばん近い…ので、彼女をめぐる出来事がとても他人事とは思えない(笑)。
破天荒な彼女は変わらないのだけれど、周りが彼女を理解していくっていう過程が
読んでいて気持ちよいんです。
もともとこの絵もDM候補で描いたので明るめな色使い。
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『風にのってやってきたメアリーポピンズ』
P・L・トラヴァース 作

実は初めて読みました。
ディズニー映画も見たことがなく、
でも、何となく優しいお姉さん的なイメージを持っていましたが。
読んでみるとなんだか違うのです。
ポピンズさんはすごくクール。別に子供好きなわけでもなさそうで、
家庭教師をつとめる二人(+双子の赤ちゃん)に対して
まったく媚びるところもないし、笑顔すら見せない。
だけれど、彼女の不思議な力、不思議な世界とつながったところは
子供達の心をひきつけて止まず、
愛想ゼロでも、子供達のほうから進んでついて行く。
ポピンズさんのためにならいい子になっちゃう!
これは日ごろ子育てに手を焼く母親たちにとっては、
彼女の存在そのものが魔法なのではないでしょうか。


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メアリーポピンズ、やっぱり映画を見たくなりました。
ツンとすましているけれど、ポピンズさんおしゃれだもんね。
いろいろな方と話していたら、『メリーポピンズ』と『サウンドオブミュージック』が
混ざる~という話になって。
どちらもゆっくり観たいわ。
この絵は線画の部分が好評でした。私もこうゆうのが最近描いていて楽しいの。
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『不思議の国のアリス』
ルイス・キャロル 作

不思議な国とおとぎに国とはなんだかイメージが違う。
子供のころ、かわいらしい夢物語と思って読んでみたら、
ずいぶんと不気味だった、という印象があります。
とくにハートのクィーンが出てくると、
これまでのハートのラブリーなイメージも
クィーンの高貴なイメージもガタガタと崩れて、ものすごい存在感。
とくにフラミンゴをつかんでクリケットをするというシーンが
とても衝撃的でした。
実際は物語中にたくさんのパロディやナンセンスが散りばめられている、
子供ばかりが相手ではない読み物なのですね。
英語で読んで理解が出来たらまた違う楽しみ方ができそう。




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普段、私はふっくらとした、どちらかというと熟女に近いような女性を好んで描きます。
でも、今回はテーマが児童文学なので、どうしてもみんな子供。
子供はあんまりふっくらしていないし、熟女の色っぽさも無く…。
それはそれで分かっててチャレンジしたのだけれど、
やっぱり後半「熟女、描きたいなあ~」と思って(笑)、
セレクトした本の中で、主役を差し置いてなお存在感のある熟女さがしをしたところ、
このハートのクイーンに白羽の矢が!
堂々と登場してもらいました。
そう、熟女描きたさに描いたのです!ああ楽しかった♪
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個展の作品を紹介します~♪
今回は児童文学がテーマですから、一つずつが児童文学のタイトルになってます。
それと、展示のときのキャプションも添えて。
(なお、すべての画像の著作権はいわがみ綾子に 帰属します。無断転機、転用はしないで下さい。)

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『大きな森の小さな家』
ローラ・インガルス・ワイルダー 作

ドラマでもお馴染み「大草原の小さな家」シリーズの1作目。
今回のセレクトでは、奔放な主人公が登場する作品が多い中、
ローラたち姉妹は伸びやかで健康的ではありますが、
厳しくしつけられ、しっかりとした暮らしをしています。
その母親のキャロラインが好き。
周囲に何にも無い場所に立つ一軒家で
仕事で不在がちの夫に代わっり体を張って一家を守る姿は
美しすぎます。
家と家族と畑と家畜と、それらを守って
毎日をただ正直に生きる強さを感じるのです。




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今回の展示のDMに使った作品。
初個展の「顔」として、良かったか悪かったかは分からないけれど、
何となく黄色は福来るって感じで私は気に入っていました。
同じくギャラリー外に小さく看板にもしたのだけれど、
これを見てなんとなく入ってくださる通りがかりの方もいらして、
やっぱり玄関に黄色って風水的に吉?!なんて思ったり。
ローラ、メアリー、キャリーの三姉妹、頑張ってくれました!

ギャラリー内では、大草原の小さな家はTVで見てたな~という声、多し。
そうよね。私も大好きだったもの♪
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