渚
いつのまにか、空も風も秋を感じる今日この頃。
窓全開で風がビュンビュン吹き抜ける部屋が好き。
紙とかいろいろ飛ばされて、床にパラパラと落ちるけれど、
それでもこの気持ちよさはやめられない。
だったら外に出たらいいのに。
ええ。そのとおり。
でも室内での風ふうけいに欠かせないもの、
窓から膨らむカーテン。
これが、たまらないんだな。
子どもの頃、縁側に面した窓から膨らむカーテンに、素早く潜り込んでみたり、
膨らんだ隙間からこぼれる日差しをまぶしく眺めたり。
風のカーテンは波だった。
光あふれる庭と、陰り静寂な室内との、フワフワとキラキラでできた曖昧な境界線。
渚。
おそらく神秘やファンタジーを感じながら、幼い私はただじっと、その渚を見つめていた。
2年ほど前、展示のために
膨らむカーテンの向こうに別の世界があるというストーリーの絵本ラフをつくりました。
お話しづくりは初めてだったので、まだまだなのですが、
息子にだけは好評なのです。
彼もカーテンの波に何かを感じるタイプらしい。
by ayako-iwagami
| 2013-10-01 12:00
| 日々の記し-ひびのしるし-