装画コンペの作品

先日入選したギャラリーハウスMAYAさんの装画コンペの作品を搬出してきました。
自分でも、どこが評価されてどこがいまいちなのか、やっぱりよく分からない状態ですが
備忘録も兼ねてアップしてみます。
各作品ともに、物語の装画を想定して描くという課題です。


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課題本、エミリー・ブロンテの『嵐が丘』。
身分の違いはあれど幼なじみの二人。
絆が強いほどにぶつかり合ったり深く結ばれていたり。
互いの心も魂もガラスのように繊細で傷つきやすく。
具体的なシーンではなく、
そんな二人の関係性をイメージとして表現できたら、と描きました。
イギリス文学によく登場する、一面ヒースの丘、の美しくもの鬱げな雰囲気も取り入れたかった。
ヒースというのは植物でエリカともよばれているもの。
実際にヒースらしきものはほとんど描いていませんが、
美しく、はかなく、といった感じが出ていたらいいなと思います。


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エミール・ゾラの『ナナ』。
この本は課題ではなく自分で選んだものです。
19世紀半ばのパリが舞台の物語。
主人公のナナは若く美しい身体を武器に舞台女優から高級娼婦となり、
次々と虜になった男たちを破滅させていく…って話。
さぞかしお色気ムンムンなのかと思うと、たしかに男から見るとそうなのだろうけれど、
妙に子どもっぽくてまっすぐなところがあって、そのギャップがナナの魅力なのかなと思いました。
そんなナナを下品にならずに色っぽく、子どもっぽく、肖像画のように描いてみたいと思って制作したもの。
こんな肉感的な女性を描くのが好きなので、たのしく描きました。


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課題本、グリム兄弟の『灰かぶり』。
灰かぶりはシンデレラだと思いながら読んでみたら、
グリムの『灰かぶり』はペローのものとは微妙に違っていて、
願いを叶えてお城に送り出してくれるのは魔法使いではなく、
お母さんのお墓近くのハシバミの木にやってくる鳩たち。
靴もガラスでなくて金だったり、エピソードも少しずつちがうのです。
鳩に助けられるシーンが素朴で、母の愛とかも感じられたりして素敵だったので
このシーンをモチーフにしました。



コンペに出したり、評価されたりされなかったり、もありますが
やはり本のイメージで絵を描くことが楽しいなあと思える、今日この頃の備忘録でした。
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