なかま入り

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わたし、イヌ。
いわがみさんちの実家で最近飼われてるの。

わたし、右前脚が悪くてね。
普段は三本の足で暮らしてるんだけど、でも走ったりジャンプだってできるのよ。

わたし、前のことはよくわからないんだけど、迷い犬っていうのかしらね。
この家にはじめて来たのは数ヶ月前。
お庭にたまたま居心地良さそうな空き家の犬小屋があったからね、入ってみたの。

それは一年くらい前に亡くなったここのお家のワンちゃんの小屋だったらしいんだけど、
わたし、もっと体が小さいし、ぴったりなのよね。
で、ちょっと休んでたの。

そしたらその時、年に数回しか帰ってこないここのうちの次女がたまたま居てね。
昔の同僚の人も遊びに来てたの。
で、この二人はたまたま動物のお医者さんだったもんだから、小屋にいたわたしのこと見つけて、
足をみてくれたりしたわけ。
足は以前からこの状態みたいだし、居場所もないみたいだしどうしよう、とか心配してくれて。

そしたら、ここのうちのお母さんは、もう犬を飼うつもりはなかったみたいなんだけど、
たまたまこの日が亡くなったここのお父さんの月命日だったらしくて、なんだか縁を感じてくれたみたい。
それで、このお家で飼われることになったっていうわけ。

わたしの名前はね、あいちゃん、だって。

わたし足がこんなだし、ここはけっこうな町外れの村みたいなとこだし、
捨てられちゃったのかしらね〜なんて言われたりもしてるんだけど、
でも、なんだかいろんなたまたまが重なっておうちが見つかったわたしってすごい運の持ち主だよって、
長女がこの間子どもと東京から帰ってきて話してたわ。

だから、
わたし、あいちゃん。
お母さんがくれた毛布のうえで今日もしずかに寝ています。
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