ステッチ→ステッチ

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そういえば、
去年の個展のときのDMを初めて母に送ったときのこと。

母が電話で
「案内状の絵が『大草原の小さな家』だったでしょ〜
ちいさいときのこと思い出してさ〜もう…さ〜」
と感涙の様子。

『大草原の小さな家』といえば
本のほかにテレビドラマでもおなじみですが
私がもっと小さかった頃、ちょうど幼稚園くらいのころには
テレビアニメでも放送していたのです(世代が…)。
母も私も大好きで見ていました。

キャラクタープリントの製品をほとんど買ってもらえなかった我が家で、
あるとき母が幼稚園用の手提げバッグに
主人公のローラ、メアリー、キャリーの三姉妹を刺繍してくれたのです。
祖母が洋裁のプロだったせいなのか、母はお裁縫は得意なほうでしたが、絵は苦手。
どこからか絵を写してきて忠実にステッチするのは至難の業だったはず。
そしてお裁縫は夜の仕事だったから、夜な夜なチクチクしていたはず。

もし今あらためて見たら、おそらくホンモノとは似て非なるものだとは思うのです。
でも、幼稚園児だった私は大好きな絵のついたバッグが嬉しくて嬉しくて、大のお気に入りでした。

ですから、母の言う『大草原の小さな家』の思い出とはこのこと。

手作りばかりを礼賛するつもりはさらさらないのですが
気持ちが伝わる行為というのは思い出に残るものなのですね。

そこで、ウン十年経ち、今度は私が息子に作った幼稚園の手提げ。
もちろんこれを作るときにも、ローラ・バッグのことは思い出されている訳で。
しかしながら、祖母→母のお裁縫遺伝子はほとんど受け継がれなかった娘。
手提げには刺繍しなければという思い込みだけでなんとか波縫いのようなステッチ。。。
これが私の精一杯…。

あれから3年、この手提げと一緒に今春には幼稚園も卒園。
彼はウン十年経ったときに、果たしてこんなこと思い出してくれるのかしら。
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