ぬか漬け ことはじめ。

セロリを漬けてみた。

漬けてもやっぱりセロリだった。

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実家には幼いころからぬか床があったが
食わず嫌いの多い私は食べたこともなければ
もちろん漬けたこともなかった。

そんなぬか漬け無知な私が、
否が応でもそれに対峙しなくてはならない時があった。
20代前半のことである。

その当時、数ヶ月間、地元の埋蔵文化財センターというところでバイトをしていた。
センターなんていう横文字とは裏腹に
戦前の香り漂う、木造の元小学校の校舎で
市内から出土した土器破片を洗ったり、修復したり、記録したりする仕事を
母親世代のおば様たちに混ざってやっていた。
(といより、ずっと教えてもらってた・・・)

古い校舎の窓の感じと、ギシギシする床が好きだった。
おば様たちの明るい世間話も楽しかった。
庭があって木もあって、
そして、台所にはぬか床があった。

その職場は市の施設だからかのんびりしたところで
10時と15時はお茶の時間と決まっていた。
毎日おば様たちと順番にお茶当番があって、
当番は朝、10時、お昼、と一日三回ぬか床をかき混ぜてぬか漬けを作る。
野菜も当番の持参なのは田舎ならではで、たいてい自宅か近所で何かしら作ってるので
なんとかなるのであった。
ここのぬか床はおば様たちの自慢で
用事で来る職員の人も、ぬか漬け目当てにお茶の時間にやってくるほどだった。

おば様たちはもちろん仕事に責任をもって、日々きっちりやり遂げる方々だったが、
休憩時間を使ったこの漬物作りにも手を抜かなかった。
そして私は初めてぬか漬け作りを教えてもらった。
とはいえ、ぬか床はもうあるので、毎日しっかり塩をした野菜をマメに漬けるっていうだけだったのだけど。
おば様たち曰く、ぬか床には塩だけで、他には何も入れていないとのこと。


あれから15年ほどぶりに、ぬか床をかき混ぜてみて
ホコリっぽい木造の校舎の感じと
作業しながらの明るい会話とを思い出したりした。
あの校舎はまだあるんだろうか。
おば様たちは、お元気だろうか。
そしてぬか床は。



私の唯一のぬか漬け体験の話でした。
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